ホステスが確定申告する際に大切なことを5つの視点から詳しく解説
確定申告について漠然とした知識はあるけれど詳細は知らない…という人は多いです。
知らないと多額のペナルティを受ける可能性もあるので、この機会に覚えておきましょう。
今回は、ホステスの確定申告の方法を徹底的に解説します!
その他、経費の分け方や、必要書類・書き方、税理士への相談の流れなど全て併せてご紹介。
副業でホステスをしている人でも、確定申告が必要な場合がほとんどです。
確定申告について何も考えていなかった!となってしまうと確実に損になってしまいます。
ホステスの確定申告の方法
まずはホステスの確定申告の方法をご紹介いたします。大体の流れは下記です。
- 自分は確定申告が必要な人かを確認する
- 確定申告に必要な書類をそろえる
- 経費で落とせるものを算出
- 確定申告を書く
- 確定申告書等を提出
ひとつひとつ確認していきましょう。
ホステスで確定申告が必要な人
確定申告が必要な人は個人事業主の人か「給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える人」です。
その他にも「給与所得が2,000万円を超える人」などの条件はありますが、ホステスを副業としている人はほとんどが上記の条件に当てはまる人でしょう。
「給与」所得というのは、アルバイト・パート・準社員・正社員などの雇用形態で貰っている所得です。
その他、フリーランスなどで得たお金は「報酬」という区別になります。
副業でホステスをする人は、20万円以上の収入を得た時点で確定申告が必要となりますので、注意してください。
詳細は国税庁のホームページを確認するのをおすすめします。
ホステスの確定申告の必要書類
次に、確定申告に必要な書類についてまとめました。確定申告に必要な書類は以下です。
- 確定申告書
- 領収書(クレジット明細・レシート等)
- 所得が証明できる書類
- 本人確認書類(マイナンバーカード等)
- 認印
それぞれ必要な書類等は変わってきますので、確定申告をする際には、一度国税庁のホームページでそれぞれ必要な書類・持ち物を確認しましょう。
経費用のクレジットカードなどを作成しておくと、経費の算出が楽になります。
青色確定申告と白色確定申告!青色確定申告書を選ぼう
ホステスで確定申告をする場合は、青色確定申告を選ぶと良いでしょう。簡単に白色確定申告と青色確定申告の違いを説明します。
青色申告はその年の3月中旬までに青色申告の申請書を提出する必要があるので、注意してください。
白色確定申告の控除額やメリット・デメリットは以下。
- 記帳が簡単
- 特別控除は無し
- 赤字の繰り越しが無し
青色確定申告の控除額やメリット・デメリットは以下。
- 65万円の特別控除
- 簡易簿記の場合は10万円の控除
- 赤字の3年間の繰り越し
- 家族への給与が経費として落ちる
- 30万未満のものは減価償却可能
- 複式簿記が複雑(フリー会計ソフトを使用すると解決)
ホステスとして働いている場合は、「赤字の繰り越し」や「家族への給与」などは関係ないでしょう。
しかしその点を除いても、青色申告の方が有利であるといえます。
青色確定申告の方が、簿記部分が面倒臭い部分がありますが、65万円の特別控除を得られるのです。
青色申告ならではの特別控除ですね。なるべく控除額を増やしたい方は絶対に青色申告の複式簿記を選びましょう。
2020年度は感染症の影響で、確定申告と青色申告申請の締め切りが1ヶ月程度延長されました。
その年によって提出締め切りが変わる場合があります。国税庁の公式ホームページで必ず確認してください。
ホステスが経費で落とせる費用
一概に経費といっても、経費で落とせるものは職種によって変化します。ホステスが経費で落とせるのは以下。
- 衣装
- メイク用品
- 美容院代
- 通信費
- 本(お客様の趣味に合わせるためなど)
- プレゼントなどの交際費
- 同伴の時などに必要な代金
- 交通費
これらが全てではありません。筋が通っていれば大半は経費で落ちるでしょう。
しかし通信費やメイク用品などはプライベートでも使っていますので、按分(あんぶん)して考えると良いです。
ホステスの確定申告に必要なもの
次は確定申告に必要なものについて簡単に説明していきます。手元に用意する書類は以下。
- 経費の領収書(レシート・クレジット明細等)
- 請求書・報酬明細
- 給与所得がある場合は源泉徴収票(副業でホステスをしている方)
以上のものを手元に置いておくと良いでしょう。また、インターネットができる環境をお持ちの方はフリーの会計ソフトを使うことをおすすめします。
フリーの会計ソフトは、画面に従い数値を入力していくだけで簡単に確定申告が作成できます。複式簿記の知識は必要ありません。
書類の不備で何度も訂正を貰うことがほとんどなくなります。
青色確定申告の書き方!
確定申告書は2種類あります。確定申告書Aと確定申告書Bです。ここでは確定申告書Bを取り扱います。
確定申告書Bの書く場所は2面。最初の面(第一表)には以下を記載します。
- 収入金額
- 所得金額(収入-経費等)
- 所得から差し引かれる金額
- 税金の計算
- その他
税金の計算以外は、自分の所得など全てそのまま用意した書類の通り記載してください。
税金の計算は、欄に計算の仕方が明記されていますので、電卓を用意して確認しましょう。
第二表には基本的に一面目に記載した金額を転載し、それについて細かく触れていきます。
第二表に記載する保険料は控除前の金額であることに注意しましょう。
第二表に記載するのは以下。
- 所得の内訳・雑所得等の事項
- 所得から引かれる事項
- 事業専従事者に関する事項(家族に給与を払っている場合)
- 事業税・住民税について
また確定申告書Bの他に、青色申告決算書も提出しなければいけません。
手っ取り早いのは税理士にお願いをすること!相談の流れ
次は税理士に相談をする方法をご紹介していきます。
会計フリーソフトを上手に使う自信がない人は、税理士にお願いすると良いです。流れは以下になります。
- 税理士事務所を探す・相談・見積もり
- 見積もりを出して貰ったら税理士事務所を選ぶ
それでは詳しく解説していきます。
税理士事務所の探し方・相談・見積もり
税理士事務所は複数から見積もりを出して貰うことが重要。1番自分の需要に合う税理士にお願いしましょう。
1社だけに絞って考えてしまうのはNGです。複数社(3社~)から見積書を出して貰い、契約する事務所を探してください。
それぞれの地域の税理士事務所を比較してくれるサイトがありますので、そちらを利用するのをおすすめします。
サイト以外から探す方法は以下。
- 無料相談会
- 無料の相談センター
- 自分がピックアップした税理士事務所に相談
自分がピックアップした税理士事務所に相談する場合は、有料相談なのか無料相談なのかをしっかりと確認しましょう。
有料相談の方がより詳細にお話を聞けます。
税理士事務所の選び方
税理士事務所にも得意不得意があります。
簡単な業務についてはほとんどの事務所が対応していると思いますが、少し特殊な状況の場合は対応できない場合も。
きちんとそれぞれの税理士事務所のホームページを確認し、自分がお願いしたい業務に対応しているかを確認してください。
ホステスの場合は、以下を重視すると良いでしょう。
- 夜職に知見がある
- 実績のある税理士に相談する
- 自分の性格・業界に合った税理士を選ぶ
ホステス・ホスト・キャバクラなどの夜職に対応している事務所を選択するように心がけましょう。
更にいうと、深夜の相談にも対応しているところが良いかもしれませんね。
税理士のトラブルの種類・対処方法と契約解除の注意点
次はホステスが確定申告について税理士とのトラブルや契約解除の注意点について紹介します。
- 税理士のトラブルの種類・対処方法
- 契約を解除するときの注意点
それぞれ説明していきます。
税理士のトラブルの種類・対処方法
税理士とのトラブルの種類は以下のような事例があります。
- 税理士が特例を把握していなく必要以上に多い税金を払わなければいけなくなった
- 性格が合わず、やりにくい
- 節税目的で税理士にお願いをしたが、あまり払うべき税金が減らない
上の2つの場合は話し合いでは終わりません。税理士を変更する必要もでてくるでしょう。
必要以上に税金を払わなければいけなくなった場合は、相手に対し損害賠償を求められます。弁護士に相談をしましょう。
節税の場合は、話し合いで解決する場合があります。
「何故あまり払うべき税金が減らないのだろう」と思った場合は、きちんと質問してみてくださいね。
契約解除の時の注意点
契約を解除するときは以下に気をつけましょう。
- 書類などの引き継ぎについて相談をしておく
- 渡したデータやパスワードはしっかりと回収する
書類などの引き継ぎに関しては、次の税理士にお願いするときに必要になりますので、事前に相談・確認をしておきましょう。
また渡したデータやパスワードはしっかりと回収します。トラブルの元になる可能性が高いからです。
自分のデータはしっかりと自分で管理する意識が重要になります。
確定申告の落とし穴!確定申告の無申告時のペナルティ
確定申告が必要であるのに黙っていた場合、払わなければいけない税金が上乗せされます。
しかも、税務署は5年遡って調査できますので、収入が多い人だと1,000万円を上回る場合もあるのです。
延滞税や加算税などの支払いが発生するので、原則きちんと申告をしてくださいね。
何故無申告がバレるのか?バレやすい理由
確定申告の無申告がバレる例は意外とあります。以下、ホステスが関係ありそうな無申告がバレる理由一覧です。
- 友達・キャスト・ボーイ・お客さんからの密告
- 高額なプレゼント
- SNSの活動
夜の世界は何かと恨みを買ってしまいやすいです。友達と思っている人から確定申告の無申告を税務署に密告されてしまう場合もあります。
マンションや車などの高額なプレゼントをいただいた場合も注意が必要。
贈与税無申告も関わってくるので、非常に危険です。高額な支払いを要求される場合もあるでしょう。
SNSでの活動報告にも要注意。意外なところから無申告はバレてしまうもの。
無申告のリスクを考えるとしっかりと確定申告をしておいたほうが良いですね。
しっかりと確定申告をして控除を受けよう
ホステスの確定申告の書き方についてご紹介してきました。
しっかりと確定申告をして、控除を受けたほうが良いですね。申告の時は以下に注意しましょう。
- 青色確定申告を使い、青色確定申告の申請書を忘れずに提出する
- 領収書はしっかりと保管
- 簿記が苦手な人はフリーの会計ソフトを利用する
税理士にお願いするときに注意するのは以下の点。
- 自分の性格・業界にあった税理士を選ぶ
- 税理士事務所は複数から検討する
- トラブルを避けるためにも実績のある税理士を
- 契約解除の時は引き継ぎとデータの管理をしっかりと
青色確定申告書を使って賢く確定申告をしましょう。