ホスラブとは？水商売特化の匿名掲示板の実態と誹謗中傷への対処法

「ホストクラブのお客さんからホスラブってやたら聞くけどいったい何？」
「キャバクラで働き始めて初めてホスラブで誹謗中傷された…」

今回は、ホスラブについて詳しく知りたい方、そして誹謗中傷されて困っている方のために記事を書きました。

ホスラブとは、水商売関係の情報に特化した匿名掲示板の通称です。

本文では、ホスラブのリアルな実態や水商売関係者が見るべきじゃない理由、そしてホスラブで誹謗中傷された時にどう対処すべきか詳しくまとめています。

ホスラブとは？水商売関係者は閲覧注意な理由

まずは、ホスラブが一体どういったものなのか確認していきましょう。

ホスラブは無料の匿名掲示板であり、誰もが自由に閲覧・投稿することが可能です。

ただし掲示板の内容に性風俗関係の情報を含むため、規約上は18歳未満の利用は禁止されています。

イメージとしては日本で最もメジャーな匿名掲示板である「2ちゃんねる」「5ちゃんねる」に近いのですが、内容がキャバクラやホストクラブ、性風俗といった水商売に特化しているのが特徴。

ホスラブが稼働を開始したのは2001年4月であり、20年以上の歴史があります。

ホスラブができた経緯

正式名称「ホストラブ」からもわかる通り、当初はホストクラブに特化した情報交換掲示板としてホスラブは運用されていました。

ホストクラブで今日使った金額、担当に向けて一言！などお客さん同士の交流。

また、ホストになって変わったことなどホスト同士の交流も見受けられました。

しかし徐々にホストクラブだけでなく、キャバクラやガールズバーといった飲み屋業界、そして風俗店などの性風俗業界に関する内容にも対応し、現在では水商売業界を網羅するコミュニティに成長しています。

スタート当時はホストクラブに特化したサイトとしてスタートしました。
その後、ホストクラブに留まらず、派生して水商売全般、風俗業界全般、雑談等、業界に関わる方の興味のある話題全ての「業界全体の為のコミュニティーサイト」として成長しました。

引用：ホストラブ「ホストラブとは？」

現在では47都道府県全ての地域ごとに以下のジャンルで掲示板が設立されています。

水商売関係者はホスラブ閲覧注意な理由

ホスラブは水商売関連に特化した掲示板ではありますが、働いているキャスト側は閲覧に注意が必要です。

なぜなら、基本的にホスラブの書き込みはお客さんや同業者による悪口や根も葉もない噂、誹謗中傷的なものばかりだからです。

水商売で働く方がホスラブを見るきっかけは上記のような単純な興味のパターンが大半でしょう。

しかし、興味本位でホスラブを覗いた結果予想もしていない悪口や誹謗中傷、ひどいときには個人情報が晒されていることがあるのです。

ホスラブの実態！誹謗中傷や実際に起こった事件とは

ここからは、ホスラブでは実際にどんな書き込みがされているのか、またホスラブ関連で逮捕者が出た事件についてまとめていきます。

ホスラブの書き込みの実態

ホスラブには以下のような内容をメインに、24時間さまざまな掲示板でやりとりが行われています。

ちなみに、どんな内容であれ書かれていることの真偽は当然いっさいわかりません。

お気に入りのキャストの人気が出ないようにわざと悪口を書き込んだり、ライバルキャストを蹴落とすため同じ店のキャストがお客さんのふりをして悪口を書き込んだりといったことは当たり前です。

さらには荒らしが出没したり、キャスト本人を名乗る偽物が現れたり…一言で言うと、カオスです。

ホスラブ関連で起こった事件

ホスラブでは中傷行為が日常的に行われていますが、中には逮捕事例もあります。

警視庁目黒署は２６日、テレビのバラエティー番組などに出演している“Ｒｉｃｏニャン先生”こと脇坂英理子医師（３５）に対する殺害予告をインターネット掲示板に書き込んだとして、脅迫の疑いで東京都足立区の風俗店店員、横山晴奈容疑者（２３）を逮捕した。逮捕容疑は９月１０日未明、ホストに関する掲示板サイト「ホストラブ」に、「りこ自殺しなければ　あなた殺されるみたいだよ　ナイフで首ちょんぎり事件」などと書き込んだ疑い。

引用：東スポWEB

上記は対象者が有名人だったためニュースになりましたが、ニュースにまではならなくとも、誹謗中傷や個人情報を晒したことなどを理由に裁判にまで発展した事例は複数あります。

中傷された被害者がひそかに弁護士とともに動いていることは珍しくないのです。

弁護士使ってホスラブの情報開示と訴訟する事になりました。弁護士さんと話した所、内部の従業員しか知らない情報を書かれてたので、従業員、もしくは従業員から女の子にリーク、もしくは更に女の子から客にリークしてる筈なので最低で1名、最高で3名を名誉毀損で訴えられるみたいです。

— かのん＠昼職嬢 (@nizuma_karin) July 21, 2020

ホスラブで誹謗中傷された時の2つの対処法

興味本位でホスラブを覗いた結果、自分に関する中傷や個人情報の晒し行為を見つけてしまったらショックですよね。

ここからは、ホスラブで誹謗中傷された時の2つの対処法をシンプルにご紹介します。

削除依頼する

ホスラブには一応、削除依頼の機能がついているため申請すれば書き込みを削除してもらえる可能性があります。

削除依頼の方法は以下の手順です。

注意点としては、削除の依頼内容は上記にある通り削除依頼履歴に公開される点です。

怒り心頭かもしれませんが、間違っても「削除理由」の欄などで口汚い言葉を使ったり、個人特定ができる内容を書き込んだりしないようにしましょう。

なお、ホスラブの削除作業はボランティアで成り立っており、削除するかどうかは最終的にこのボランティアの人物によって判断されます。
依頼をしたからと言って100％削除されるわけではありません。

弁護士に相談して削除してもらう

確実に書き込みを削除したい場合、弁護士への相談も視野に入れましょう。

1. 弁護士に依頼してホスラブの運営会社に書面を送り、書き込みを削除してもらう
2. 弁護士に依頼して裁判所に書込み削除の仮処分を申し立てる

いずれかの方法で、高確率で書き込みを削除してもらうことが可能です。

特に②の場合、確実に書き込みは削除されるようです。

1. 慰謝料請求する
2. 刑事告訴する

どちらも情報開示請求を通し、書き込みを行った人物を特定します。

これまでは、情報開示請求には2度の裁判手続が必要で、手間・お金・時間がかなりかかるものでした。
しかし、2022年に法改正が行われ、1回の裁判手続情報開示を請求できるようになりました。

弁護士を通して情報開示請求をする場合、開示にかかる費用はざっくり50～100万円。

犯人が特定された際は開示費用+慰謝料として10～50万円程度請求するのが相場となっています。
参考：ココナラ法律相談

ホスラブを利用する際の注意点

最後に、ホスラブを利用する際の注意点を紹介します。

自分は書きこまない

ホスラブは書き込み内容次第で、誰でも慰謝料請求をされたり、刑事告訴されたりする恐れがあります。

悪意や深い考えなしに書き込みを行った結果、数か月後に弁護士事務所や裁判所から通知が来るかもしれません。

ホスラブを見るのは自由ですが、基本的にはなにがあっても自分は書き込まないことをおすすめします。

内容を真に受けない

ホスラブは匿名掲示板ですから、だれが書いているかなんてわかりません。

お客さんのふりをしたライバルキャストが悪口を書いているかもしれませんし、一度もあったことの無い人物が妄想で体験談を書きこんでいるかもしれないのです。

ホスラブに書き込まれている内容を真に受けるのはやめておきましょう。

基本的には見ないのが一番

水商売業界で働いているとどうしても気になってしまうのがホスラブですが、基本的には見ないのが一番です。

見なければ悪意のある書き込みでメンタルを病むこともなければ、うっかり書き込んでしまうリスクもありません。

ホスラブは見ない・書かない・気にしないが鉄則です。

— 🐹うらら🐹【依頼はDMまで】 (@urara_scout) December 25, 2020

しかし一度見てしまうとなぜかハマって逐一チェックしたくなるのがホスラブの怖いところ。

見る行為自体を強制的に辞めたいのであれば、以下のようなサイトブロックアプリを使う方法もあります。

ホスラブに書き込まれた内容でお客さんがいなくなったり、周囲の人に自分の悪い噂が広がったりするような実害というのはそうそうありません。
むしろホスラブを真に受けて影響を受けるようなお客さんや知り合いなんて必要ない、と割り切ってしまったほうが水商売をやる上でメンタルがとても楽になりますよ。

まとめ

今回は、水商売業界に特化した匿名掲示板ホスラブについて詳しく紹介しました。

水商売で働くとついつい見たくなってしまうホスラブですが、見たところでろくなことはありません。

健全なメンタルで仕事をするうえでも、なるべくホスラブは見ないことをおすすめします。

ホスラブでエゴサーチするなどは絶対にやめておきましょう。

第二東京弁護士会　
弁護士法人アークレスト法律事務所