水商売で扶養から外れた場合の4つのリスク!損せず稼ぐコツを紹介
水商売というと、キャバクラ嬢やホステス、風俗嬢など多岐に渡ります。他のアルバイトと比べて、時給は高く稼げるイメージが強いのではないでしょうか。
旦那さんや親の扶養家族として働きたい場合は、稼げる職業だからこそ、知らないと損することがたくさんあります。
扶養内で損をせずに働くために気をつけることと、はずれた場合どのようなことになるか紹介します。
そもそも扶養とは?
仕事を探していると、扶養という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか?扶養とは、親や夫などの親族から経済的な援助を受けることです。
生計を一にしていれば、同居している必要はありません。まずは、2種類ある扶養のタイプについて説明します。
税金の扶養
扶養してくれる人の年収が1,120万円以下の場合、所得税や住民税が控除されます。
扶養対象が配偶者の場合は、配偶者控除や配偶者特別控除というものがあり、扶養してくれる人の税金負担を軽くすることが可能です。
これらは、最大で38万円が控除されます。扶養対象が配偶者以外の場合は、特定扶養親族や老齢扶養親族に分けられ、最大で63万円の控除が受けられます。
その年の12月31日時点で16歳以上の人であれば、扶養親族にすることが可能です。
扶養される側であっても、給与所得所得者の場合は年収100万円以下であれば所得税と住民税、年収103万円以下であれば所得税が非課税になります。
社会保険・年金の扶養
扶養者が社会保険に加入している場合は、自分で健康保険料を支払わなくても、3割負担で病院を受診できます。
さらに、扶養してくれる人が厚生年金に加入していれば第3号被保険者となり、保険料を納付したと見なされるのです。
そのため、ずっと扶養されていたとしても老後に年金を受けとることができます。しかし、税金の扶養と異なり、配偶者と3親等内の親族が対象という条件があります。
3親等とは扶養してくれる人からみて、配偶者・父母・兄弟・祖父母・子・孫・曾孫・叔父叔母・甥姪のことです。
ただし、75歳未満であることと、祖父母・父母・子・兄弟以外は同居していなければいけません。
扶養から外れるとどうなるの?
うっかり働きすぎてしまい不要から外れてしまった!となった場合、どうなるのか説明します。
税金が発生する
年間の所得額によっては、住民税と所得税が発生するため、注意が必要です。
また、控除されていた分の金額は所得と見なされ、扶養してくれていた人の所得税もあがる場合があります。
健康保険料を払う必要がある
健康保険料を自分で支払わなければなりません。扶養がはずれる年収は、条件により異なります。
週20時間以上の勤務、1年以上の勤務見込みがある、勤め先が従業員が501人以上いる企業で働いている場合は、月収8.8万円以上(年収106万以上)で扶養がはずれます。
これらの条件に当てはまらない場合、自己負担する義務が発生するボーダーラインは、年収130万円です。
「家族手当」が支給されなくなる場合がある
扶養してくれていた人が配偶者だった場合、会社から支給されていた「家族手当」がなくなることがあります。
これは、多くの会社の家族手当は、扶養家族に限定しているためです。
労働基準法などで定められたものではなく、企業のルールによるものなので、扶養からはずれたとしても支払われるケースもあります。
追加で納税する必要がある
気づかぬうちに扶養からはずれていた場合、税務署から扶養してくれる人宛に連絡が入ります。
給与明細などを提出し、不足している税金をまとめて納税する必要がでてきます。
もし、内緒で仕事をしていたとしても、水商売だとばれることはないといえるでしょう。
なぜなら、給料を支払っている運営会社の名前はでても、お店の名前がでることはまずないためです。
働き損になるかも!?
扶養がはずれると、扶養内で働く時に控除されていた税金や保険料を支払わなくてはならないとお伝えしました。
つまり、年収103万円の時(扶養内)は支払わなくてよかったものが年収105万(扶養外)だと支払わなくてはなりません。
税金や保険料は、+2万円では賄えないためむしろマイナスとなってしまいます。
頑張って働き、年収130万円まで増えたとしても、年収103万円(扶養内)の時と比べて手取りが3万円程度しか増えない場合があるほどです。
水商売は比較的働いただけ給料があがる職業ですが、手取りも比例してあがるとは限りません。扶養外で働くと稼げる額も大きいですが、出ていく額も大きくなります。
働き損にならないように気を付けましょう。
注意点
誰しも節約できるところは節約して、できるだけ手元に多く給料が入ってくるようにしたいものです。
しかし、節税にばかり目がいきすぎると、気づいたら脱税していたということにもなりかねません。
そのような失敗が起きないように、水商売をする上で大切なポイントをお伝えします。
年収
扶養内で働きたい場合、年収がとても大切になります。
配偶者特別控除が受けられるのは、年収201万6千円以内の場合です。超えてしまうと、扶養してくれる夫(妻)の年収に関わらず、控除金額がゼロになります。
また、201万円以下の場合でも150万円までは満額控除されますが、150万円を超えると控除金額は収入金額に応じて減っていきます。
控除を受けつつ収入を増やしたい場合は、注意が必要です。
手渡しの場合
水商売の場合は、給料が手渡しということも少なくありません。
手渡しだったとしても税金はかかります。給料明細の税金欄に記載があれば、勤務先が税金を納めていることとなるため安心です。
しかし、記載がない場合は税金を納めていない可能性があります。
そのままにしておくと脱税となり、知らぬ間に法律を破ることになるため、確認は忘れずにおこないましょう。
扶養からはずれないためには?
水商売は他のアルバイトと比べると時給が高く、自分の頑張りで給料に差がでてきます。
自分の給料を気にしていないと「いつの間にか扶養がはずれていた」なんてことになるかもしれません。
扶養内で働きたい場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?
年収103万円以下にする
年収103万円以下であれば配偶者控除の対象になります。
その上、課税所得は0円です。つまり、自分は所得税を支払わなくてよく、配偶者控除が受けられ、配偶者の所得税も軽減されるボーダーラインが年収103万円となります。
住民税などは引かれますが、ほとんど手元に残るのは多くの人にとって嬉しいことです。
年収130万円以下にする
年収103万円以上になると、配偶者控除の代わりに配偶者特別控除が適用されます。年収150万円以下であれば控除額も変わりません。
年収103万円と年収130万円の違いは、自分が働いた分の所得税や住民税を納税する必要があるかどうかです。
所得税や住民税は年収103万円から対象となるため、控除は受けられたとしても税金を納める必要がある可能性があります。
また、年収130万円であれば、社会保険扶養は受けられるため、社会保険料を支払う必要はありません。社会保険料は年間で約20万円ほどです。
年収130万円を少し超えたくらいだと、扶養内の時とあまり変わらなくなってしまうため注意しましょう。
扶養内で水商売をする時の目安
例えばキャバクラ嬢として働く場合、どれくらい働くと扶養からはずれてしまうのかご存知でしょうか?
働く地域や人気によって異なりますが、全国の平均時給は約2,000円です。時給2,000円で1日5h働いた場合、日給10,000円。
この条件で週2日働けば103万円に収まるということになります。
ただし、時給の他に指名料や売上バック、ノルマが達成しなかった場合の罰金などで変動することがほとんどです。
扶養内で働きたい場合は、お店と相談しながらシフトを組むことをおすすめします。
自分にあったワークスタイルを。
頑張って年収130万円以上働いたとしても、社会保険料で約20万程度が引かれます。扶養内で働いていた時と比べてあまり変わりがありません。
そのため、扶養外で働くのであれば社会保険料を支払う必要のない年収130万円以下か、社会保険料が引かれても手取りが確保できる年収160万円以上を目標にするといいでしょう。
年収103万円に収めて扶養内で働くか、年収160万円以上を目指して扶養外で働くのがいいかは、人によって異なります。
自分のライフワークに合わせた働き方を探してください。