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2025年風営法改正でホストクラブはどう変わる?新ルールをわかりやすく解説

2025年、ホストクラブ業界に大きな変化が訪れています。

繁華街を歩いていると、これまで華やかな看板で埋め尽くされていたホストクラブのビルに真っ黒なボードが並ぶ異様な光景を目にした方もいるのではないでしょうか。

その背景にあるのが、2025年6月に施行された風営法の改正です。

筆者

この記事では、風営法の改正によってホストクラブの何が変わるのかを、これから夜職に関わる方・現在ホスト業界で働いている方に向けて、わかりやすく解説していきます。

目次

風営法改正の背景とは?ホストクラブ業界の深刻な実態

ホストクラブ_実態

2025年の風営法改正に至るまでには、ホストクラブ業界での深刻なトラブルの多発が背景にありました。

売掛金の未回収や恋愛感情を利用した営業スタイルなど、度を越えた接客が問題視され、全国的な議論を呼んだのです。

筆者

風営法改正にまで至ったホスト業界の闇を簡単に紹介します。

売掛トラブルで人生を狂わされる女性たち

ホストクラブで常識のように行われてきた「売掛」。

その場では現金を支払わず後日まとめて清算する形式ですが、過剰な煽り営業による高額オーダーなど、最終的に支払えなくなるケースも珍しくありませんでした。

自分が今いくらの売掛を抱えているのか把握しないまま、言われるがままにシャンパンを入れてしまい、気が付けば絶対に支払えないような金額になっていた…というのはよくある例。

いつのまにか数百万円の売掛が溜まっていたという事例も少なくありません。

支払いができずに借金を重ねたり、風俗に勤めざるを得なくなったりと、生活が破綻してしまう女性も多く報告された結果、社会的な非難が高まっていったのです。

売春の強要や性的搾取の温床に

一部の悪質なホストや店舗では、「売掛を返済するために風俗で働け」と事実上売春を強要するケースも。

特定の風俗店とつながりがあり、女性を紹介することで利益を得ていた実態も発覚しています。

これはホスト個人の問題ではなく、業界全体の体質や店舗運営のあり方にまで及ぶ深刻な人権問題。

表向きには女性に夢を与える仕事として成立していたものが、裏では女性の自由や尊厳を脅かす温床になっていたのです。

このような背景から、警察庁や自治体は「風営法の見直しは急務」と判断し、今回の法改正に踏み切りました。

ホストクラブはどう変わった?改正風営法のポイントまとめ

ホストクラブ_改正風営法のポイント

2025年の改正風営法では、ホストクラブなど接待を伴う飲食業に対し、従来のルールから大きく踏み込んだ内容が盛り込まれました。

改正風営法のポイント
  • 広告の規制
  • 営業手法の制限
  • 人材確保の見直し

それぞれの変更点を見ていきましょう。

【広告規制】煽り文句・ナンバーワン表記は禁止に

これまでホストクラブでは、店頭の看板やSNSなどで「No.1ホスト在籍」「〇億円プレイヤー」「神」など、売上や人気を誇張する表現が当たり前のように使われてきました。

しかし今回の法改正により、そうした煽動的・誤認を招く表現は禁止対象に。

具体的には以下のような表記がNGとなりました。

  • 売上や人気を示す数値(例:「年間売上〇億円」「指名数No.1」)
  • 営業成績による役職名(例:「幹部補佐」「レジェンド」「神」)
  • ランキング制を連想させる文言(例:「売上バトル」「覇者」)
  • 感情を過剰に煽るフレーズ(例:「推せ」「〇〇に溺れろ」)

歌舞伎町などでは実際にホストの顔写真付き看板が黒く塗りつぶされるなど、業界に与えるインパクトは非常に大きなものでした。

【営業手法の制限】色恋営業や虚偽説明が違法に

今回の改正で新たに追加された「第18条の3」では、ホストやキャストが恋愛感情を装い、経済的負担を負わせる営業行為が明確に違法とされました。

筆者

いわゆる色恋営業ですね。

また、料金説明やサービス内容の説明などが明確に行われない場合も、虚偽説明ということで違法となります。

具体的には、以下のような発言・手法が規制の対象となります。

  • 嘘の料金説明や不透明なサービス提供
  • 恋愛感情を利用して高額注文を促す
  • 客の同意なく注文を入れる
  • オーダーしないと関係が終わるといったプレッシャー発言

どれも、ホストクラブでは普通に行われてきたことです…。

これまでは黙認されがちだったことが明確な法律違反として処罰対象になることで、業界全体の営業方針にも大きな変化が求められています。

【人材確保の見直し】スカウト報酬は禁止へ

一部の店舗で横行していたスカウトバック(紹介料)についても、風営法の改正により厳しく制限されました。

これがホストクラブとどう関係があるのかというと、先ほど簡単に触れた「特定の風俗店とつながりがあり、女性を紹介することで利益を得ていた実態」が関係しています。

売掛を支払わせるために女性を自分がつながりのある風俗店に紹介し、風俗店からバックを受け取るホストがいたことが問題視されたのです。

今回の風営法改正後、性風俗関連事業者がスカウトに報酬を渡すことが明確に違法となり、違反が発覚すれば行政処分や刑事罰の可能性もあります。

ホストクラブに売掛金(ツケ払い)がある女性を風俗店に紹介したとして、警視庁生活安全特別捜査隊は27日までに、職業安定法違反(有害業務紹介)容疑で、無職長谷川明生(28)=東京都新宿区西新宿、ホストクラブ従業員小林尋斗(29)=同区新宿=両容疑者を逮捕した。

引用:JIJI.COM

違反したらどうなる?処分の内容をカンタン解説

ホスト_風営法違反_処分内容

風営法の改正によって、ホストクラブや接待業全体に対する監視体制はこれまで以上に強化されました。

では、実際に違反した場合、どのような処分が待っているのでしょうか?

簡単に解説していきます。

風営法違反の処分内容
  • 指導・是正命令から営業停止まで段階的に処分
  • 営業許可の取消しと5年間の出店禁止
  • 従業員・経営陣への責任も強化

指導・是正命令から営業停止まで段階的に処分

まず、軽いと判断されるような違反であれば「指示処分(改善命令)」が出されます。

これは問題点の改善を求める警告のようなもので、内容をすぐに改めれば大きな罰にはつながりません。

ただし、命令に従わなかったり、違反が悪質だと判断された場合は、次の段階として「営業停止命令」が出されます。

これは最大6か月間、店の営業そのものができなくなる厳しい処分です。
ホストクラブにとっては大きな打撃であり、実質的に閉店せざるを得ないケースもあるでしょう。

営業許可の取消しと5年間の出店禁止

さらに重大な違反や繰り返しの違反があった場合は、営業許可そのものが取り消されます。

この処分を受けると、その法人や経営者は、以降5年間どの地域でも風俗営業の許可を取得できません。

しかも、名義変更や別会社を立てて逃れようとする行為も監視の対象。

実質的に同一人物が関わっていれば許可が下りないよう、審査基準も厳格化されています。

従業員・経営陣への責任も強化

改正後は、ホスト本人だけでなく店舗側にも強い監督責任が課されるようになりました。

一人のホストが違法な営業トークをしていた場合、経営者も「知らなかった」では済まされず、店全体が処分対象になる可能性があります。

こうした背景から、現在は店舗単位で法令遵守の研修を導入したり、ホストの営業方法にルールを設ける動きも見られています。

まとめ

2025年の風営法改正は、ホストクラブ業界全体に対する本格的なメスとも言える内容でした。

これまで業界内ではグレーゾーンとされてきた言動が、明確に違法と判断されるようになったことで、ホスト個人だけでなく、経営者や運営側の法的責任も問われる時代に入りました。

裏を返せば、今後は法令をしっかり守りつつ、クリーンな営業方針で信頼を築いていくお店だけが生き残る、ということでもあります。

これをきっかけに、健全で持続可能な業界としての姿勢が問われているのではないでしょうか。

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