— 06 / NAGASHIMA METHOD

ながしま式 領域展開。

1枚のポスターを、4つの領域に分解して水商売向けのデザインを創りだす。 キャベルが、夜職の広告デザイン制作で磨いてきた手順を、そのままAIへの指示書に変換した手法です。 AIデザインのプロンプト全170種は、この夜職のデザインに特化した形で蒸留しています。

— WHY LAYERS

AI画像に文字を載せたものと、広告デザインの差。

AIで画像生成がカンタンにできる時代となりました。でも、綺麗な画像に名前を置いただけのポスターは、どこか貼り付けたように見えます。

理由は単純で、背景と人物と文字を、それぞれ別々の場所で綺麗に作ってしまっているからです。

キャベルの領域展開は、その逆をやります。ひとつの空間を先に設計し、そこへ背面から順に4つの層を積む。だから光がつながり、奥行きが生まれ、名前までがデザインの一部になり、ナイトワークに特化したデザインが出来上がります。

ながしま式 領域展開の実制作過程。Photoshopのレイヤーパネルが、基盤となる背景から奥行き・柄・光・羽・人物シルエット・背景マスクの重ねへと段階的に増えていき、人物の上に羽と光が重なった一枚に仕上がっていく様子。
実際の制作データの過程。L1 基礎背景 → L2 後方装飾 → L3 主役人物 → L4 前景・文字。背面から順に積み、ひとつの空気に統合します。
— HOW TO LAYER

名詞で重ねるのではなく、動詞で重ねる。

AIプロンプトで「花びらを置く」「光の粒を散らす」。名詞で指示すると、画面には物が並ぶだけです。貼り絵になる原因はここにあります。最近の生成AIは、それっぽい画像はつくります。でも、インスタで見るプロの画像とは何かが違う。

それは、AI生成のデザインが「かかる」「透ける」「回り込む」「溶ける」と、動詞で指示されることがなく、昼職のデザインを元にしているからです。

名詞にせずに、動詞にすることで、同じ素材でも、置かれた物ではなく、その空間の一部としてデザインが出来上がります。

今回、頭の中にある夜職デザインの引き出しを、Fableに徹底的に蒸留して伝えました。

ながしま式では背景そのものを人物の上にもう一度かぶせます。背景の色と光を全面に重ね、マスクと薄いグラデーションで、輪郭と体の下側から溶かしていく。 光が人物の手前と奥でつながり、切り抜きを貼った平面ではなくなります。

重ねるものは、花弁でも、柄でも、文字でも構いません。人物にかかってよい。避けるのは顔のまわりだけです。何を重ねるかは、その一枚ごとの直感で決まります。

ただしどう重ねるかは、言葉にできました。だから同じ設計思想のまま、全170種へ展開できています。

実際のPSDのレイヤーパネル。下から「これが元の背景。これと重ねる」「背景をかぶせてグラデ」、人物レイヤーを挟んで「さらに背景を被せる」「光・同じ光にさらに光で蒸留」と積み上がり、人物の上に背景と光が重なっている構造が見える。
実際のPSDのレイヤーパネル。人物(黒いシルエット)の上に、背景そのものと光が繰り返し重ねられています。レイヤー名がそのまま手順書です。
— FOUR AREAS

4つの領域、それぞれの仕事。

L1

基礎背景FOUNDATION

人物が立つ「舞台」をつくる層。

深紅のバラの壁、金箔の和紙、夜の水面。ただの綺麗な模様ではなく、方向性と重心のある空間を最初に決めます。舞台が決まれば、光の向きも空気の温度も決まります。

L2

後方装飾REAR DEPTH

人物の後ろで、奥行きと物語をつくる層。

巨大な記念数字、毛筆の大書、ネオンの薔薇。ここで大切な原則がひとつ。後方の装飾は、必ず一部を人物に隠すこと。人物の後ろに要素が回り込んだ瞬間、写真の切り抜きを貼った平面ではなく、その空間に立っている一枚になります。

L3

主役人物HERO SUBJECT

お預かりした写真の、本人らしさを守る層。

人物は画面の高さの70%以上。背景が主役になった「遠景ポスター」は作りません。顔立ち・輪郭・髪・肌の質感を維持するよう、プロンプトの側で徹底して設計しています。変えるのは光だけ。目にキャッチライトを残し、顔まわりは画面でいちばんクリアに保ちます。

L4

前景・文字FOREGROUND & TYPE

人物の上に、重ねる層。

花弁も、光の粒も、柄も、文字も、人物の上にかかってかまいません。というより、かかるから奥行きが出ます。名前・日付は書体と材質(箔押し・彫金・ネオン管・毛筆)まで指定し、一字一句正確に描くよう指示します。避けるのは顔のまわりだけ。そこは最後までクリアに残します。

— BUILT INTO EVERY PROMPT

2007年のデータから、全レイヤーまで開いた。

この手法は理屈だけではありません。出発点は2007年、長島が自分の店のために作ったキャバクラのポスターのPSDとイラストレーターのデータです。

当時は「光とバラと文字の配置で、どう他店より目立つか」しか考えていませんでした。その後、4つの層や次元に分けて組めば、プロの仕上がりになると気づき、以来ずっとその手順でデザインを作ってきました。

2007年11月の制作データ一覧。PSD・EPS・AI のファイルが並び、最終更新日は2007-11-17、PSDのサイズは98.5MB。
出発点の実データ。2007年11月17日、98.5MBのPSD。長島が自分の店のために作ったポスターです(店名を出せるのは自身の店だからです)。

蒸留したのは、2025年から2026年にかけてです。全個人情報をマスキングして当時のファイルを開き、レイヤーを一枚ずつ写真に撮って、AIに見せながら説明しました。

Fableにデザインのレイヤーを見せて徹底的に蒸留をする。それをGPT Pro 5.6 solに渡して、デザインを生成する。期待した出力でなければ、繰り返しFableが理解できるように蒸留をする。これを45デザイン分繰り返しました。

そこでFableやGPTから返ってきたのが「4層目に何を置くかを書かないと切り貼りになる。光や葉や物が要る」という指摘でした。

そこで、自分が手で無意識にやっていたことの正体がはっきりして、言語化することができました。背景すら重ねることがある。「何を重ねるか」ではなく「どう重ねるか」。それが奥行きを生み、領域展開になる。

こうして45の実作品を全レイヤーまで分解し、全170種へ展開しています。

生成AIで作られた画像を印刷してほしいと依頼がくる。でもその生成物には塗り足し(ノビ)もない。クオリティも何かが違う。でも、この流れをとめることはできない。そのため、キャバクラ・ホストクラブ・夜職に特化した自身のデザインを蒸留したプロンプトを公開することにしたのが、AIデザインの始まりです。

AIが要約した長島式デザインの特徴4項目。1 人物が絶対的な主役(画面高70%以上)、2 なじませ2手法(物理的な重ねとグラデーションベール)、3 文字の規律、4 品位の上限。
答え合わせ。全レイヤーの説明を終えたあと、AIが「長島式とは何か」を要約して返してきたものです。ここまで一致して、はじめてプロンプトへの変換に入りました。

AI生成の性質上、仕上がりは一枚ごとに揺らぎます。生成後は顔・手・文字を確認のうえご利用ください (確認のポイントは各デザインページの「ご利用にあたって」にまとめています)。

— REPRESENTATIVE WORKS

この手法でつくられた代表デザイン。

— ARCHIVE

デザインを選んで、試してみる。

170種を公開しています。プロンプト全文はLINEの友だち限定。人物写真と名前があれば、今夜から使えます。